ケース① 黒田宏一さん(仮名)25歳・会社員の場合
黒田さん「自分は酒癖が悪くて、どうしようもないんです」
私 「酒癖が悪いって、どんなことがあったの?」
黒田さん「飲み始めると楽しくなって止まらなくなるんです。
気づいたら、どうやって帰ってきたのかも覚えていない。
路上で寝てしまったことも何度もあります。
財布やスマホをなくしたことも数えきれません。
朝起きたら左腕が腫れていて、どこで転んだのかもわからないんです」
私 「毎日飲むの?」
黒田さん 「毎日は飲みません。家で飲むときはビール1本くらいです」
私 「外で飲むのはどのくらいの頻度?」
黒田さん 「週に2回くらいです」
私 「外で飲む方が楽しいの?」
黒田さん「うーん……楽しいというより、家に足が向かないというか。」
話を続けていくうちに、家庭のことが見えてきました。
父は仕事を転々とし安定せず、母は夜勤のある看護師。
妹は軽い知的障害があり、母が夜勤の日は黒田さんが面倒を見ています。
職場でもうまくいかず、上司に叱られることが多いといいます。
――黒田さんには、「心が安心できる場所」がないのかもしれません。
ケース② 佐藤恵子さん(仮名)62歳・飲食店店長の場合
長年勤めた会社を定年退職後、念願だった飲食店に再就職した佐藤さん。
しかし、配属先はグループ内でも赤字続きの「お荷物店」でした。
従業員同士の仲は悪く、責任の押し付け合いが日常茶飯事でした。
まず佐藤さんは人員整理を行い、誰がどの仕事をするのかを明確にするため、仕事のリストを作成しました。
自らもトイレ掃除に取り組み、洗剤では落ちなかった黄ばみを紙やすりで磨いて落としたりもしました。
その努力のかいあって、少しずつ売上は上がっていきました。
ところが最近になって、「もう疲れた」と感じ始めたといいます。
相談できる上司もいません。ようやく良い人材が入っても、いわゆる“お局様”の意地悪で辞めてしまう。
――佐藤さんにとっての「自分の居場所」は、この2年間、必死に赤字を立て直そうと努力してきたその時間だったのかもしれません。
「私の居場所」とは
「居場所」というのは、心からホッとできる場所。
誰にでも「帰る場所」があるようでいて、実は見失ってしまうこともあります。
けれど、佐藤さんのように「自分が心を尽くせる場所」、
黒田さんのように「安心して自分でいられる時間」も、立派な“居場所”です。
人によってそれは、誰かかもしれませんし、仕事や趣味、家という物理的な場所かもしれません。
けれど共通して言えるのは、そこに「安心」と「自分らしさ」があること。
今、あなたの「居場所」はどこにありますか?
よろしければ、私と一緒にその“心の居場所”を探してみませんか。
